はじめに
親が認知症などになり、自分で判断できる状況にないと金融機関が判断した場合、金融機関は口座を凍結し、家族であっても預金の引き出し等の操作ができなくなります。そうなると、親にどんなに預金残高があったとしても、預金を引き出すことができず、介護にかかる費用、施設への入所、通院の費用は、家族が立て替えることになります。認知症の場合は、回復は見込めないことから、立て替えたお金が返ってくることは難しいと思います。
金融機関によっては、家族が認知症などになったり、自分で判断できない状況になることを想定して代理人制度を導入している場合があります。 世の中的に、認知症の問題が多くみられる状況にもかかわらず、金融機関の対応はまちまちであり、かならずしも預金者、家族に有効な制度になっていない場合があります。
今回は、ゆうちょ銀行に問い合わせて得られた回答を紹介します。同じような心配を抱えている方の参考になれば嬉しいです。
【問い合わせ内容】
両親が高齢のため、認知症等になった場合、親の口座凍結を心配している。
施設入所・通院にかかる費用については、親の口座にある預貯金から捻出したいと考えている。
そのような際の代理人制度はあるか。あれば手続方法を教えてほしい。
ゆうちょ銀行の場合
ゆうちょ銀行の状況についてご紹介します。
ゆうちょコールセンター(お問い合わせ-ゆうちょ銀行)0120-108-420(国内から、通話料無料)
【問合せに対する回答】
認知症になったという理由で、口座を凍結することは無い。
代理人制度は設けていない。
家族信託についても対応した制度はない。
口座契約者以外が貯金の引き出しをするためには、成年後見制度を利用してもらう必要がある。
認知症が明らかになった段階で、後見人の指定を裁判所に申請し、その結果踏まえてゆうちょ銀行に届け出ることが必要。
個人的な所見
正直、???!と思いました。
ゆうちょ銀行は、過疎地(≒高齢者が多い地域)に強いイメージがあったので、高齢者に対するサービスは充実していると思っていたのですが、いざというときに貯金を引き出せるかというと、そうではないということが解りました。
では、どうするか
後見人制度は、裁判所が後見人を指定します。指定された後見人は必ずしも親族が指定されるわけではなく、その後見人へ報酬を支払う必要があります。申請手続きの手間、かかる費用を考えると正直使いにくい制度です。
とはいえ、万が一のことを考えると対策をとる必要があるので、私の場合は、親がゆうちょ銀行に普通口座しかないこともあり、ATMで引き出しの手続きが完了するため、万が一の際は親のキャッシュカードを使用して引き出すこととしました。そのため、親には終活ノートを作成してもらい、万が一の際のメモとしてゆうちょ銀行キャッシュカードの暗証番号をメモしてもらうこととしました。 家族とはいえ本人以外が口座を操作をするため、グレーなやり方かもしれませんが、ゆうちょ銀行で構えている制度の中で上手くやることを考えると、このやり方にならざるを得ないと思います。
ゆうちょ銀行の店舗を除いてみると。。。
近所のゆうちょ銀行の前を通った時に、「あれ?」と思うポスターが掲載されていました。
【郵便局の終活日和】で家族信託でいざというときの親の財産を守りましょう
コールセンターで聞いた話では、ゆうちょ銀行では家族信託制度は利用できないと聞いていたので、どういうことだろうと店舗店員に聞いてみました。
結論からすると、ゆうちょ銀行では家族信託制度は利用できません。
このポスターは、ゆうちょ銀行の【郵便局の終活日和】というサービスにおいて家族信託制度の【相談】ができます。という案内でした。
現時点では、ゆうちょ銀行で相談はできるけど、制度は利用できない。ということでした。
店舗店員も奥歯にものが詰まったような説明でした。
このサービスのパンフレットもらいましたが、家族信託の信託契約書作成についてコンサルを行ってくれるようです。当然その場合は費用が発生します。家族信託については、相談するにしても、直接司法書士に問い合わせるのが一番だと思いますので、余計な費用を回避することを考えれば金融機関のサービス利用は極力避けるべきだと思います。
おわりに
今回は、ゆうちょ銀行に問い合わせた回答を紹介させていただきました。
ゆうちょ銀行は高齢者に手厚いイメージがあったのですが、認知症等による口座凍結への制度は正直いまいちに感じました。
私の場合は親の口座が普通口座のみで、必要な費用を引き出すだけで、定期の解約手続きとかもないのでATMで用件が済むため、キャッシュカードを利用するということができますが、ゆうちょ銀行で色んな金融商品を持っている場合は、成年後見制度を利用するしかありません。
私の対策を実施するにも、家族会議が必要かと思います。終活ノートを作成してもらうというだけでも、言われる親からすれば、人を死ぬ前提で記録を残せと言われているのだから当然だと思います。
私の場合は、家族会議を実施して、その中で、万が一の時に、介護費、施設への入所費用、通院費はそこから出す必要があるからと、介護する側への負担を軽減してもらいたいことと、介護される側も費用が出ないことで介護が受けられないリスクを考えてもらいたいことを話して納得してもらいました。
そういった会話ができるような普段の家族間のコミュニケーションも大切かと思います。
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
現在ほかの金融機関にも問い合わせています。結果については、また本ブログで紹介していきたいと思います。


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